大・タイガー立石展の感想と解説!絵画、漫画原画、絵本原画、陶芸など約200点以上を展示!千葉、青森、高松、埼玉を巡回


展覧会風景_千葉市美術館8F企画展示室

大・タイガー立石展の感想と解説!

大・タイガー立石展 POP-ARTの魔術師

タイガー立石をどう話そうかと思いあぐねていたところ、教育学者が美術を読み解く書籍を見つけました。

『齋藤孝のざっくり!美術史』です。そこには「五つの柱で美術をざっくり理解する」とありました。五つの柱とは、うまさ、スタイル、ワールド、アイデア、一本勝負です。一本勝負って(笑)。

うまさは「誰が見てもこの絵はうまいといわれるようなうまさ」です。「この絵」とは写実的な絵のことです。

立石がイタリア時代に描いた、フルーツ・ボールやティー・ポットの鉛筆画がこれに該当しそうです。3-51・52・53・54《エットレ・ソットサス/原画:タイガー立石 インドの思い出:ティー・ポット》。

プロダクトが周りの自然に比べて巨大なこと、テーブルなどの本来あるべき場所には置かれていないことで、わずかにシュールです。プロダクトの人工物と、それを取り巻くフルーツや樹木の自然物との対比が絶妙です。樹木が緻密に描写された「この絵」はうまいです。

ワールドは身近なところにある「多くの人が共感できる世界観」です。しかし、立石はシュールな世界観を得意として日常は描きませんでした。

2-06《ネオン 富士山》1964年

スタイルは、技法的特徴による「その人ならではの世界の見方」としています。もし2-06《ネオン 富士山》のような、ネオン作品が多くあれば該当したかもしれません。立石はヴィンセント・ヴァン・ゴッホのような特徴のある筆致は持ちませんでした。

5−38《七転鉢虎富士》1992年・5-39《松虎富士》1992年

アイデアは「構図やモチーフなどに素晴らしいアイデアが詰め込まれていて、人々の心を魅了する」です。私は立石のメインの柱は初期からここだと思います。

立石は漫画との間を行き来することもあり、ワンビジュアルが完結しています。5−38《七転鉢虎富士》のループする虎のメタモルフォーゼ、5-39《松虎富士》の松の幹による輪郭画は他の作品にもときどき現れます。

2-08《汝、多くの他者たち》では、長すぎるくらいの残像効果をモチーフとしています。複葉機や駅馬車は移動するため残像ができますが、富士山や五重塔や滝までもが動き出します。

2-10《東京バロック》はコラージュです。東京タワー、三木富雄の彫刻《耳》、三船敏郎、西郷隆盛像は全身と頭部、ビクターのニッパー、丸の内線の車両、サインポール、東京駅、東京都紋章、赤いベンツはブリキのおもちゃがありました・・・。加えて建設作業員やクレーンのフックが、オリンピックを目前にした東京の熱気を伝えます。

5-27《昭和素敵大敵》1990年

コラージュの集大成が、5-27《昭和素敵大敵》・5-31《明治青雲高雲》・5-33《大正伍萬浪漫》です。明治、大正、昭和と続く近代社会の群像を、プリント基板のすやり霞がおおいます。私は古賀春江の《海》を演じる、昭和の歌姫美空ひばりが印象的でした。

5-40《雄鶏楼と富士》1992年

一本勝負は「私はこれ一本で食っていきます」です。立石はこれ一本どころではありませんが、あえて言うならコマ割り絵画です。ミラノに渡ってから、漫画のコマ割りを用い絵画作品を描くようになりました。

3-03《Mad Moon》は月が知恵の輪のように変異し、手前に並んでいる彫刻と相まって幻想的な風景を生み出します。

3-04《輪のミステリー》はジョルジョ・デ・キリコの《通りの神秘と憂愁》をもとにしました。画面を4分割し、右下に不可能図形などが描かれています。長く延びた人影が輪となり、やがて人を取り込んでしまいます。

同書はひとりの作家を、いくつものカテゴリーに割り振るものではありません。1作家1カテゴリーが原則です。私は立石をうまさ、アイデア、一本勝負としました。しかし漫画も描く立石は、その中にユーモラスな情景までもひそませていました。

5-44《大地球運河》1994年

大・タイガー立石展の図録をマニアが分析!

『大・タイガー立石展 TIGER Tateisi: The Retrospective』

・表表紙、裏表紙とも同じデザインです。タイトルは背表紙にしかありません。背景色には黄色の蛍光インキが使われています。

表紙は多くの作品から一部分を切り取り縮小したものが、右上がりで規則正しく並んだものが繰り返されます。

多くの作品は、5-39《松虎富士》、3-09《タイガー・ゲルニカ》、4-56『とらのゆめ』原画、2-16《大農村》、5-42《富士のDNA》3-23《Planets Blossom》、5-43、《仮想〈虎祭〉現実》、4-40「コンニャロからデジタルへ」原画、5-53《PICASSO》など42点ありました。


展覧会風景_千葉市美術館エントランス

・背表紙や各章の扉で、文字から広がる波紋のような細い線がユニークです。単調な波紋にならないよう所々折り目が入れてあります。

・巻頭には、立石のポートレートが紙面を4等分して4点並べてあります。作品の特徴である、コマ割りをイメージしたのでしょうか。

・図版の各章の扉は、作品を拡大トリミングしたものに白窓を開けテキストを置いています。掲載点数が多いためか、作品の拡大図版はこの扉しかありません。個々の作品図版は小さいものもあります。

「1.Prologue」などの章タイトルのタイポグラフィーが力強いです。書体は「モーティス ボールド(mortise bold)」と思われます。1、2、5、6章は見開き、3、4章は1ページになっています。

・「4.Interluge 漫画と絵本の仕事」は、モノクロ漫画の原稿もカラーで掲載されており、原稿用紙の微妙な色のちがいが認められます。

・「5.1982−1998年 再びの日本〜こっちにタイガー、あっちに大河亞」は、肖像画をもとにした立体作品は、正面が大きく切り抜きで、右側面、背面、左側面が小さく角版でその下に並べられています。4面を載せることは稀です。背景色はハーフトーンで見開きごとに変えてあります。12点で6見開きあります。

ソフトカバー/ W210mm × H300mm/ モノクロ・カラー/ 249ページ/ 日・英
価格:3,080円(税込)

大・タイガー立石展のグッズは何がある?


展覧会風景_千葉市美術館7Fミュージアムショップ

漫画『TRA(トラ)』

・代表作18作品が掲載されています。

「ノアノアゴーゴー」「全然問答集」「虎の巻」「コンニャロ+デジタル商会」などは一部の原画が展示されていました。

『週刊アサヒ芸能』『少年サンデー』『ボーイズ・ライフ』で連載されていましたが、私は展示作品のほかは初めて読むものばかりでした。

・ブックデザインが凝りに凝っています。

表表紙のビジュアルはR2-27《タイガーポップ》です。裏表紙はR3-46《Landoscape Occurred》ですが、上下が逆にしてあります。背表紙のタイトルは順逆どちらも。

巻頭は「みてみて劇場」など80ページほどがカラーです。単色のページは薄黄色の紙に臙脂色(えんじいろ)のインク、ピンク色の紙に赤紫色のインク、クリーム色の紙にダークグリーンのインク、薄灰色に黒のインクと漫画雑誌らしさを演出しています。

「全然問答集」は上下が逆に掲載してあります。

章ごとにノンブルの書体や位置が変えてあります。「トトとポンチョ」は手書きです。

漫画本ながら辞書並みに分厚いです。

ハードカバー/ W148mm × H210mm/ カラー/ 428ページ
価格:5,500円(税込)

絵本『ままです すきです すてきです』

「たぬき きつね ねこ こあら らくだ だちょう」。谷川俊太郎のしりとりに、タイガー立石が描くシュールな世界を鬼の子どもが巡ります。

ハードカバー/ W198mm × H210mm/ カラー/ 24ページ
価格:990円(税込)


展覧会風景_千葉市美術館7F展示室

大・タイガー立石展の混雑状況は?

混雑状況は、グーグルマップの左カラムにある「混雑する時間帯」で、曜日ごとに知ることができます。下方にあるマップから「拡大地図を表示」か、グーグルマップで「千葉市美術館」「青森県立美術館」「高松市美術館」「埼玉県立近代美術館」「うらわ美術館」を検索して開きます。

大・タイガー立石展のチケットはいくら?

千葉市美術館

一般1,200円/ 大学生700円/ 小・中学生、高校生無料/ 市内在住65歳以上960円

※障がい者手帳の保有者とその介護者1名は無料
※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額

青森県立美術館

一般1,500円/ 高大生1,000円/ 中学生以下無料

Webチケット
一般1,300円/ 高大生800円/ 中学生以下無料

※Webチケットは別途手数料(165円/枚)が負担となる
※Webチケットで入場は特製チケット(デカチケ)をプレゼント
※心身に障がいのある者と付添者1名は無料

高松市美術館

未定

埼玉県立近代美術館・うらわ美術館

未定


展覧会風景_千葉市美術館8Fエレベーターホール

大・タイガー立石展の会場・巡回先はここ

千葉市美術館 2021年4月20日(土)~7月4日(日)

〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央3-10-8
Tel. 043-221-2311
Fax. 043-221-2316

開館時間
10:00 – 18:00 (金・土曜日は、20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで

休館日
毎月第1月曜日(祝日の場合は翌日)

アクセス
JR「千葉駅」東口から
○徒歩約15分
○京成バス(バスのりば7)から大学病院行または南矢作行で「中央3丁目」または「大和橋」下車、徒歩約3分
○千葉都市モノレール県庁前方面行「葭川(よしかわ)公園駅」下車徒歩5分
○JR「千葉駅」へは「東京駅」地下ホームから総武線快速千葉方面行で約42分

京成「千葉中央駅」東口から
○徒歩約10分

車で東京方面から
○京葉道路・東関東自動車道で宮野木ジャンクションから木更津方面へ、貝塚IC下車、国道51号を千葉市街方面へ約3km、広小路交差点近く

青森県立美術館 2021年7月20日(火)~9月5日(日)

〒038-0021 青森市安田字近野185
Tel. 017-783-3000 (代表)
Fax. 017-783-5244
bijutsukan@pref.aomori.lg.jp

開館時間
9:30-17:00
※入館は16:30まで

休館日
毎月第2、第4月曜日 (祝日の場合は翌日)

アクセス
JR「新青森駅」から
○車で約10分
○ルートバスねぶたん号 新青森駅東口バス停から乗車
「県立美術館前」下車 (約10分)

「青森駅」から
○車で約20分
○青森市営バス 青森駅前6番バス停から三内丸山遺跡 行き
「県立美術館前」下車(約20分)

青森空港から
○車で約20分

東北縦貫自動車道青森I.C.から
○車で約5分

(八戸方面から)青森自動車道青森中央I.C.から
○車で約10分

高松市美術館 2021年9月18日(土)~11月3日(水・祝)

〒760-0027 香川県高松市紺屋町10-4
Tel. 087-823-1711
Fax.087-851-7250

開館時間
9:30-17:00
※入館は16:30まで
※特別展開催期間中の金曜日・土曜日は19:00まで

休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)

アクセス
電車
JR「高松駅」から徒歩約15分、中央通りを南へ
ことでん「片原町駅」から徒歩、片原町商店街・丸亀町商店街を通り約10分

バス
JR「高松駅」からショッピング・レインボー循環バス西廻りで「紺屋町」下車、徒歩約3分
JR「高松駅」から東方面下り、南方面下りほか(通勤特急など除く)「紺屋町」下車、徒歩約3分
JR「高松駅」からまちバス「丸亀町参番街」下車、徒歩約3分
高速バスは「県庁通り」下車、徒歩約8分、中央通りを北へ


高松中央ICから県道43号線を北へ約4キロメートル、県道155号を西へ約1キロメートル、国道11号を北へ約1キロメートル、美術館通りへ
高松西ICから県道178号を北へ約2キロメートル、国道11号を東へ約4キロメートル、上天神交差点を北に約4キロメートル、美術館通りへ

飛行機
高松空港から高松空港リムジンバスで「兵庫町」下車(約30分)、徒歩約4分

埼玉県立近代美術館・うらわ美術館 2021年11月16日(火)~2022年1月16日(日)

埼玉県立近代美術館

〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
Tel. 048-824-0111
Fax.048-824-0119
p240111@pref.saitama.lg.jp

開館時間
10:00~17:30
※展示室への入場は17:00まで

休館日
月曜日(祝日または県民の日の場合は開館)

アクセス
JR
JR京浜東北線「北浦和駅」西口より徒歩3分(北浦和公園内)
JR「東京駅」「新宿駅」から「北浦和駅」まで、それぞれ約35分

バス
国際興業バス、西武バスとも北浦和駅西口前下車徒歩3分

うらわ美術館

〒330-0062 さいたま市浦和区仲町二丁目5番1号 浦和センチュリーシティ―3階
Tel. 048-827-3215 Fax.048-834-4327

開館時間
日曜日・火曜日~木曜日 10:00~17:00
金曜日・土曜日 10:00~20:00

休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)

アクセス
電車
JR「浦和駅」西口より徒歩7分
JR京浜東北線、高崎線、宇都宮線、上野東京ライン、湘南新宿ラインが停車
「大宮駅」から8分、「上野駅」から20分、「新宿駅」から25分


東北自動車道 浦和出口から9キロメートル、
首都高5号池袋線・埼玉大宮線 浦和南出口から4キロメートル、
外環自動車道 三郷方面より外環浦和出口から5キロメートル、大泉方面より戸田西出口から7キロメートル

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