ルドン、ロートレック展の概要
【1894Visions展】
◆◇◆10月24日開幕◆◇◆
1894 Visions ルドン、ロートレック展本展覧会は、丸の内初のオフィスビルとして三菱一号館が建設された1894年に注目します。この年は、ルドンが色彩の作品を初めて発表した年であり、ロートレックの多作な時期でもありました。 pic.twitter.com/valDDBeEjo
— 三菱一号館美術館 (@ichigokan_PR) September 28, 2020
タイトルの1894は、三菱一号館が竣工した1894年です。和暦で明治27年。ロートレック作品約260点を所蔵する三菱一号館美術館と、ルドン作品約250点を所蔵する岐阜県美術館との共同企画です。
ルドン、ロートレックに加え、1894年を生きた日仏の芸術家たちは思いのほか大所帯です。
ギュスターヴ・モロー、エドガー・ドカ、ジャン=フランソワ・ミレー、アルフレッド・シスレー、カミーユ・ピサロ、ポール・セザンヌ、山本芳翠、ピエール=オーギュスト・ルノワール、クロード・モネ、エミール・ベルナール、黒田清輝・・・と、これでもまだまだ序の口。
2館の他にも、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、ひろしま美術館などから国内外あわせて100点を超える作品が揃います。
ルドン、ロートレック展の見どころはここ
ピエール=オーギュスト・ルノワール 012《長い髪をした若い娘》
まずは1894年より少し前、当時の画壇を占めていたアカデミーやそこから印象派(第1回印象派展は1874年)につながる流れをおさらい✏️
ルドンやロートレックが活躍した時代の動向を紹介しています。皆さんご存知ルノワールは、伝統的な写実的表現と後の印象派的表現の両方を見比べることができるよ👀 pic.twitter.com/Si8gqmOCtN
— タラ夫 (@2017babel) December 18, 2020
オディロン・ルドン 044『夢のなかで』《Ⅷ.幻想》
オディロン・ルドン 045 『ゴヤ頌』《Ⅱ.沼の花、悲しげな人の顔》
【1894Visions展】
オディロン・ルドン(1840-1916)は1840年、フランス南西部の町ボルドーで生まれます。 印象派の画家のモネと同年の生まれです。 版画家としてデビューしたのは1879年、リトグラフの作品集『夢のなかで』でのことでした。■続きはこちらをご覧ください!https://t.co/w2jkYt6NFK pic.twitter.com/t5heqk2Twk
— 三菱一号館美術館 (@ichigokan_PR) November 16, 2020
第2章は「NOIR―ルドンの黒」、ノワールはフランス語で黒です。
オディロン・ルドン 140《グラン・ブーケ(大きな花束)》
[明日から開催] 三菱一号館美術館「1894 Visions ルドン、ロートレック展」油彩・版画など常時約120点 – https://t.co/Ju8aztsyXd pic.twitter.com/gLRzCrwPed
— Fashion Press (@fashionpressnet) October 22, 2020
ブルゴーニュ地方にあるロベール・ド・ドムシー男爵の城館の食堂を飾っていた、16点の壁画の内の1点です。1900年から1901年にかけて描かれ、ルドンが描いたパステル画としては最大です。W162.9 × H248.3cm 。
残る15点は1988年にオルセー美術館の所蔵となり、《グラン・ブーケ(大きな花束)》は2010年に三菱一号館美術館に購入されます。2012年に「ルドンとその周辺-夢見る世紀末」展で日本初公開されました。私は今回初です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 055《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》
11月22日放送のNHK日曜美術館アートシーンで、東京丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「1894 Visions」展が紹介されました。この展覧会は1月30日から岐阜県美術館に巡回されます(岸田劉生展の次の企画展となります)。ルドン、ロートレック、山本芳翠など世紀末芸術がお好きな方は必見です。 pic.twitter.com/gK8fnFh3wV
— 岐阜県美術館 (@gifukenbi) November 23, 2020
パリの歓楽街モンマルトルに、民衆歌手アリスティド・ブリュアンが1885年にキャバレー「ル・ミルリトン」を開店すると、ロートレックはこの店の常連となり、ダンスホールや酒場などに入り浸ります。その後1891年に055《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》で、ポスター画家としてデビューを果たしました。
【10月開幕ニュース】
「開館10周年記念 1894 Visions ルドン、ロートレック展」開幕(東京・三菱一号館美術館)https://t.co/C6p31Zrnzo— 美術展ナビ (@art_ex_japan) October 26, 2020
山本芳翠 009《裸婦》重要文化財
滑らかな肌が暗い背景から浮き上がる裸体美が香りたち、「東洋の宴」のコーナーでは際立つ存在感を示していました。
#山本芳翠 #三菱一号館 http://blog.livedoor.jp/a_delp/2020-12-26_YamamotoHousui— a_delp (@a__delp) December 25, 2020
山本芳翠の数少ない作品のいくつかは、「麒麟が来る」で話題沸騰の地でもある岐阜県美術館に所蔵されています。日本洋画の父と呼ばれる芳翠は、1850年に岐阜県恵那市明智町で生まれました。明智町。奇しくも生家は明智城跡から2kmほどに位置します。
芳翠は15歳のとき『北斎漫画』を手にして画家を志します。工部美術学校に入学し、イタリアの画家アントニオ・フォンタネージの指導を受けますが、翌年退学します。パリ万国博覧会の事務局雇としてフランスに留学します。エコール・デ・ボザールで画家・彫刻家ジャン=レオン・ジェロームに絵画技法を学びます。上図、《裸婦》はこの頃の作品です。
帰国のとき、巡洋艦・畝傍に渡欧中に制作した作品を積載しましたが、南シナ海で原因不明の消失を遂げ、300点とも400点とも言われる作品が失われてしまいました。
ルドン、ロートレック展の音声ガイドは無料です
三菱一号館美術館の「1894 Visions ルドン、ロートレック展」に行く人、音声ガイドが貸出し機でなく手持ちのスマホやタブレットにダウンロードしてお持ち帰りできる(無料)ので、ぜひ利用して~。ナレーションは安井邦彦さんです。 pic.twitter.com/ZBfkxYpMLU
— 蜜井寿里@煉獄さんにお熱 (@julimitsui) December 19, 2020
配信期間: 2021年1月17日(日)までを予定
ナレーター: 安井邦彦(俳優、声優、ナレーター)
スペシャル解説: 安井裕雄(ルドン、ロートレック展担当学芸員)
収録時間: 約30分
スマートフォンやタブレットを持っていないとき、端末のヴァージョンがサービス対象外のときには、会場で音声ガイド機を借りることができます。
イヤホン・ヘッドホンは、会場での貸出しはないので持参します。
ルドン、ロートレック展の混雑状況はここをみる
混雑状況は、グーグルマップの左カラムにある「混雑する時間帯」で、曜日ごとに知ることができます。下方にあるマップから「拡大地図を表示」か、グーグルマップで「三菱一号館美術館」「岐阜県美術館」を検索して開きます。
三菱一号館美術館では、マジックアワーチケット(毎月第2水曜日17:00以降に限り適用)の時間帯は混雑します。
ルドン、ロートレック展のインスタ映えスポットはここ
東京駅から大名小路を歩いてくると、最初に目に留まるのが東側壁面のバナーです。
美術館中庭口(入口)のパネルは、インスタ映えのスポットです。
ミュージアムショップに向かう右手、階段の下に140《グラン・ブーケ》の原寸大のバナーがあります。
美術館を後に、表に出たらすっかり夜景に変わっていました。
ルドン、ロートレック展の図録はここがすごい
2020年10月24日〜2021年1月17日
東京駅前の三菱一号館美術館にて開催の「1894Visions ルドン、ロートレック展」の図録です!読みどころ満載! pic.twitter.com/6exXfjNxW2— シークセール(オフィシャル) (@chicsalesix) October 23, 2020
・表紙はロートレックの060《アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレーにて》とルドンの140《グランブーケ(大きな花束)》です。
それぞれを表と裏とにせず、左上から右下への対角線で紙面を分割し、表表紙では右にロートレック、左にルドンを。裏表紙では、右にルドン、左にロートレックを配しています。
右上から左下への対角線にしなかったのは、そうするとブリュアンの肖像がうまく収まらなくなるからでしょう。
表裏に分かれたそれぞれの作品は、切り離して合わせてももとの絵にはなりません。それぞれの三角形の中で、絵としてのバランスがよくなるようにトリミングがなされているようです。
三菱一号館美術館「1894 Visions ルドン、ロートレック展」図録。「1894 Visions ガイドマップ」1894年前後の「フランス西洋の歴史」と「日本東洋の歴史」を併記し、印象派、ルドン、ボザール、山本芳翠、ロートレック、ゴーギャンなどの人物相関を図式化。音楽家、技術者も登場。これだけで価値あり pic.twitter.com/LbDLxiOnX4
— コロコロ (@korokoro_art) October 24, 2020
・4ページにわたる「1894 Visionsガイドマップ 」は驚きの図式化です。
1870年から1914年までの「フランス、西洋」「日本、東洋」の年表が見開きの両脇に65mm 幅で、1行に30文字とびっしりと組まれています。
年表「日本、東洋」の1984年には「イギリスのヴィクトリア朝で流行したクイーン・アン様式によるコンドル設計の三菱一号館竣工」とあります。私はこの様式は知りませんでしたが、アン女王のことは「KING & QUEEN展」で覚えました(笑)。
さらに見開きは中央を5分割して、「オディロン・ルドン 黒の時代の周辺」といった人物相関図4点と、それぞれが活躍した場所がパリの地図に記されています。
相関図のルドンは「パリ、レイサック夫人のサロン」の枠で囲われています。ルドンは32歳でパリのモンパルナスに転居します。ベルト・ド・レイサック夫人のサロンに通い、知り合ったアンリ・ファンタン=ラトゥールより、リトグラフ(石版画)を勧められました。枠の外には「モロー」「コロー」の他、『さかしま』を著しルドンを世に知らしめた退廃(デカダン)派の作家「ユイマンス」、象徴派の詩人「マラルメ(作家)」の名も認められます。
フェリックス・ヴァロットン 072-7『レスタンプ・オリジナル』入浴
フェリックス・ヴァロットン『入浴』1894年 三菱一号館美術館
三菱一号館美術館にて「開館10周年記念 1894 Visions ルドン、ロートレック展」開催中です。
2020年10月24日(土)~2021年1月17日(日) pic.twitter.com/c1UxVTUvOA— 美術ファン@世界の名画 (@bijutsufan) December 4, 2020
・特別付録として三菱一号館美術館所蔵072『レスタンプ・オリジナル』全作品が掲載されています。
『レスタンプ・オリジナル』は、編集者アンドレ・マルティが100部限定で、1893年から1895年にわたり刊行した版画集です。10枚ずつの版画を年に4回、2年半で計10回配布する予定でしたが、9回目に13点の作品の配布をもって終了となりました。
ルドン、ロートレックの他、ロダン、ルノワール、シェレ、ゴーギャン、ボナール、ドニら19世紀末のパリで活躍した著名芸術家計74人が、テーマや技法に縛られることなく作品を提供しました。
創刊号収蔵作品と展覧会出品作品の多くは、1ページに1作品が40%ほどに縮小されシートのまま掲載されています。他は1ページに3列5行で、1点のサイズが W57mm × H49mm にトリミングして掲載されています。この展示されていない作品が付録でしょう。
山本芳翠 108《浦島》
ルドン、ロートレックは勿論のこと
モネもあいもかわらず、ああ、好きです。
となったのだけど、その流れでこの山村芳翠。
存在感重厚感に畏怖してしまったし
ほれ、これぞジャポニズムぞ?ドヤ
をびしびし⚡️と感じた、、#ルドンロートレック展 pic.twitter.com/xnbb8YX5ea— ababy (@aaababy52) December 19, 2020
・《浦島》はこの1点だけ額装しての掲載です。
また、次ページ見開きのトリミングは、群衆の最後尾が選ばれています。通常なら浦島かその足元の群衆を拡大しそうです。これは遠方を選んだ方が、蜃気楼のような竜宮城のたたずまいなど、細部がより拡大されるからでしょうか。おじいさんが紛れていることには気がつきませんでした(笑)。
図録は市販されています。
ソフトカバー/ W210 × H290mm/ モノクロ・2色・カラー/ 256ページ
価格:2,420円(税込み)
ルドン、ロートレック展のグッズがかわいすぎる
(おまけ)展覧会ショップはタラ夫も大好き、おなじみEastさん。
今回は”原寸”をキーワードに、ロートレックのポスターを原寸でそのままあしらった総柄のアイテムが並びます。
ルドンアイテムは黒と白にこだわったジャムがイチオシなんだとか🤤
ぜひお見逃しなく! pic.twitter.com/25HnsAMqqB— タラ夫 (@2017babel) December 18, 2020
ルドン、ロートレック展のチケットはいくら?
三菱一号館美術館
当日券(音声ガイド付)
一般 2,000円/高校生・大学生 1,000円/小学生・中学生 無料
【お知らせ】
\明日は21時まで開館!/
12月9日(水)の17時~ご利用いただける
「マジックアワーチケット」の販売を開始しております。(1,200円で入館できるお得なチケットです)本チケットは「Webket」内のみでの販売です。必ず事前に「Webket」にてお買い求めください!https://t.co/dLfCKQOHGW pic.twitter.com/v4hgfo340W
— 三菱一号館美術館 (@ichigokan_PR) December 8, 2020
マジックアワーチケット(毎月第2水曜日17:00以降に限り適用)
1,200円
※マジックアワーチケットは、実施月の1日10:00に「Webket」内のみで販売開始します。
岐阜県美術館
個人
一般 1,000円/ 大学生 700円
団体
一般 900円/ 大学生 600円
※団体は20名以上
ルドン、ロートレック展の会場・巡回先はここ
三菱一号館美術館
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
Tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間
10:00~18:00
※祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日
毎週月曜 年末年始の12月31日(木)、2021年1月1日(金)
※月曜日が祝日の場合と12月28日(月)、2021年1月4日(月)は開館
アクセス
電車
JR「東京駅」(丸の内南口)徒歩5分
JR「有楽町駅」(国際フォーラム口)徒歩6分
東京メトロ千代田線「二重橋前〈丸の内〉駅」(1番出口)徒歩3分
東京メトロ有楽町線「有楽町駅」(D3/D5出口)徒歩6分
都営三田線「日比谷駅」(B7出口)徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線「東京駅」(地下道直結)徒歩6分
バス
最寄の停留所は「東京国際フォーラム前」です。三菱一号館美術館の正面に停まります。
都営バス
都04(豊海水産埠頭~東京駅丸の内南口)
都05(東京ビッグサイト~東京駅丸の内南口)
都05(深川車庫前~東京駅丸の内南口)
東急バス
東98(等々力操車所~東京駅南口)
岐阜県美術館
〒500‐8368 岐阜市宇佐4‐1‐22
Tel.058-271-1313 Fax.058-271-1315
開館時間
10:00~18:00(展示室の入場は17:30まで)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌平日)、年末年始
アクセス
電車
JR「西岐阜駅」下車、徒歩で15分
JR「岐阜駅」下車、タクシーまたは岐阜バス
名鉄「岐阜駅」下車、タクシーまたは岐阜バス
バス
岐阜バス
JR「岐阜駅」前(6番乗場)または、名鉄「岐阜駅」前(1番乗場)、「県美術館」下車
西ぎふ・くるくるバス
「西岐阜駅」南口より乗車、「県図書館・美術館」下車