ルートヴィヒ美術館展の感想と解説!ドイツのルートヴィヒ美術館から、ロシア・アヴァンギャルド、パブロ・ピカソ、ポップ・アートなど152点が来日!

「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡ー市民が創った珠玉のコレクション」は、ドイツ・ケルン市のルートヴィヒ美術館から、ドイツ表現主義、ロシア・アヴァンギャルド、パブロ・ピカソ、ポップ・アートなど、20世紀初頭から現代までの秀作152点が来日します。

  1. ルートヴィヒ美術館展の感想と解説!
    1. アンディ・ウォーホル《ペーター・ルートヴィヒの肖像》(002)1980年
    2. ワシリー・カンディンスキー《白いストローク》(020)1920年
    3. アウグスト・ザンダー《菓子職人》(045)1929年
    4. カジミール・マレーヴィチ《スプレムス 38番》(056)1916年
    5. アレクサンドル・ロトチェンコ《ワルワラ・ステパーノヴァの肖像》(066)1928年
    6. アメデオ・モディリアーニ《アルジェリアの女》(081)1917年
    7. パブロ・ピカソ《アーティチョークを持つ女》(086)1941年
    8. ジャスパー・ジョーンズ《0−9》(115)1959年
    9. ロイ・リキテンスタイン《タッカ、タッカ》(118)1962年
    10. カーチャ・ノヴィッツゴア《近似(ハシビロコウ)》(150)2014年
  2. ルートヴィヒ美術館展の図録をデサインマニアが分析!
  3. ルートヴィヒ美術館展の混雑状況は?
    1. ビッグデータから
    2. グーグルマップから
  4. ルートヴィヒ美術館展の所用時間は?
  5. ルートヴィヒ美術館展のチケットはいくら?
    1. 東京会場
    2. 京都会場
  6. ルートヴィヒ美術館展の会場・巡回先はここ
    1. 東京会場 2022年6月29日(水)~9月26日(月)
    2. 京都会場 2022年10月14日(金)~2023年1月22日(日)

ルートヴィヒ美術館展の感想と解説!

アンディ・ウォーホル《ペーター・ルートヴィヒの肖像》(002)1980年

○ポラロイドカメラで撮影した人物の画像をスミ版とし、正方形の画面全体を直線で分割しました。さらに、朱色で引いた輪郭線をずらして重ねています。

左上の青緑色の面は背景だけにかかります。しかし、他の色面は人物にも背景にもかかります。人物と背景とに分けて、配色がなされているのではありません。

ワシリー・カンディンスキー《白いストローク》(020)1920年

また、中央の肌色の面は顔や手の色を思わせます。しかし、青色、青緑色、朱色を用いた根拠はなさそうです。

ポラロイドの人物は、頬に指を当て思慮深い眼差しでこちらを見つめています。しかし、その上にかかかる5枚の色面は、そのことを助長しておらず人物の内面とは無関係であることが分かります。

アウグスト・ザンダー《菓子職人》(045)1929年

ウォーホルは、1962年にマリリン・モンローが不慮の死を遂げた後に《狙撃されたマリリン》を制作しました。この作品のサイケデリックな配色は死のイメージからは距離があります。


※「ルートヴィヒ美術館展」に展示はありません。

色面は人物の内面を排除し、響き合う表面的な美しさだけを求めて構成されています。ウォーホルの描く肖像画は、技法的にも内的にもこれまでのアカデミックなあり方は踏襲せず一線を画しました。

「僕を知りたければ作品の表面だけを見てください。裏側には何もありません」。

カジミール・マレーヴィチ《スプレムス 38番》(056)1916年

○中央右に小さな三角形がひとつありますが、四辺形による構成です。幅のないものは線のようにも思えますが、白く広がったスペースに他には何も置かれていません。

存在するものを分解すると、赤色・黒色・黄土色・青色・緑色・赤紫色の色彩があります。青色・緑色・赤紫色は、占める割合は多くはありませんが彩りを添えています。

アレクサンドル・ロトチェンコ《ワルワラ・ステパーノヴァの肖像》(066)1928年

左上の大きな黄土色の四辺形は、中央の大きな黒色の上に重なっています。大きな赤色・黒色は幅のない黒色・黄土色・赤紫色の上にあります。これらの位置関係は遠近を表します。

中央の大きな赤色・黒色は上の辺が短いため、これ自体にわずかな遠近がかかっているのかもしれません。

水平垂直を見てみると、画面右下にある中小の3枚の赤色と、大きな黄土色の下の緑色がこれを保っています。

アメデオ・モディリアーニ《アルジェリアの女》(081)1917年

大きな黄土色と右上の青色は、水平から時計回りに約30°傾いています。大きな赤色・黒色は垂直から時計回りに約10°と。それぞれグループごとに近い傾きを持ち、ゆるい秩序を保っています。

これらの構成は、風や光のような自然の揺らぎを描いたのでも、風景を簡略化したのでもありません。マレーヴィチは1915年に、何物をも対象にしない「スプレマティスム(絶対主義)」を提唱し、純粋に抽象的な絵画を追求しました。

パブロ・ピカソ《アーティチョークを持つ女》(086)1941年

○女性がアーティチョークを手に、椅子に腰を下ろしています。

小さな耳は額の左右に位置します。また右上部には鼻があり、そこには大きく見開いた目まであります。左耳の下の左目の下には、鼻を飛ばして口があります。左口ではありません。遠くを見る視線で微笑んでいます、と言っていいのかいけないのかです。

ジャスパー・ジョーンズ《0−9》(115)1959年

不可解な顔面を頂く首は右肩に乗っています。襟回りを下にたどると、あろうことか右腕につながっています。もしくはこういった服飾のデザインでしょうか。いやそこはキュビズムです。

腕の先の右手はアーティチョークを握っています。春野菜は蕾の部分が三角形で刺々しく描かれています。また呼応するように、膝に置かれた左手の指も鋭い三角形です。これらは拒絶の象徴として描かれているのでしょうか。

ロイ・リキテンスタイン《タッカ、タッカ》(118)1962年

背景は塗り残しを持たせ、濃緑色の上に白色が濃淡を持たせて重ねられています。描き殴られたように、暗く澱んだ混色は言い知れぬ不安を掻き立てます。

女性の服装は、濃緑色と紺色の上下です。暗い配色の中、上着の一部に明るい黄色を差しています。明るさは、胸に秘められた一縷(いちる)の希望を照らしいるようにも思えます。

ピカソが描いた2m近くある大作です。

カーチャ・ノヴィッツゴア《近似(ハシビロコウ)》(150)2014年

この1点のみ撮影可能でした。

ルートヴィヒ美術館展の図録をデサインマニアが分析!

○表表紙はシルバーを背景色に、パブロ・ピカソの《アーティチョークを持つ女》(086)です。告知はアンディ・ウォーホルの《ペーター・ルートヴィヒの肖像》(002)が使われていましたが、図録はピカソになりました。同館は世界第3位のピカソの収蔵点数を誇ります。

タイトルは「MUSEUM LUDWING COLOGNE」と欧文だけで記されています。「COLOGNE」は英語でコロン、ドイツ語でケルンです。オーデコロンは「ケルンの水」の意味です。

「HISUTORY OF A COLLECTION WITH CIVIC COMMITMENTS」は、「市民が創った珠玉のコレクション」と訳されています。「COMMITMENTS」に「珠玉の」が含まれているようです。

書体は「FF DIN Std Black」が用いられています。DIN(ディン)は、ドイツ工業規格(Deutsches Institut für Normung)の略称です。工業製品の型番などを表記するために1930年代につくられました。

「MUSEUM 〜」は3行に「HISUTORY 〜」は2行に組まれ、ピカソの下に矩形をなして置かれています。これらふたつの矩形は、書体の持つイメージとあいまって紙面に緊張感をあたえています。

裏表紙には3行の「MUSEUM 〜」が縦位置で、上下いっぱいに延ばされています。「HISUTORY 〜」は1行にされ、紙面中程にある「E」の背に乗せられ表表紙とはちがう文字組みにしています。

○章立ての特徴は序章にあります。「序章:ルートヴィヒ美術館とその支援者たち」は、美術館にコレクションを寄贈した支援者たちの肖像画やポートレートなどが掲載されています。

オットー・ディックスの《ヨーゼフ・ハウプリヒ博士の肖像》(001)。ハウプリヒはケルンで活動した弁護士です。1916年より、ドイツ近代美術の収集を始め1946年にケルン市に寄贈しました。

アンディ・ウォーホルの《ペーター・ルートヴィヒの肖像》(002)。夫婦は早くから美術作品の収集を始めましたが、1960年代後半からはポップ・アートを中心に購入しました。1976年に、20世紀の美術をテーマにした美術館の創設を条件に、ケルン市に作品を寄贈しました。

ウォーホルは1970から80年代に、多くの著名人からシルクスクリーンによる肖像画を受注制作しました。ペーターは1980年にケルンで肖像画を注文します。

ソフトカバー/ W226mm × H297mm/ モノクロ・カラー/ 280ページ/ 日・英
3,300円(税込)

ルートヴィヒ美術館展の混雑状況は?

私は平日の午前中に入館しましたが、混雑というほどでもありませんでした。

ビッグデータから

「ルートヴィヒ美術館展」をビッグデータから解析するサイトを見ます。

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション(会期終了) | あの展覧会混んでる?
展覧会の混雑状況をビッグデータから解析する世界で唯一のサイト。気になるルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション(会期終了)の混雑状況は?現地の状況が気になって仕方がない方へ新鮮な情報をお届けします。

グーグルマップから

混雑状況は、グーグルマップの左カラムにある「混雑する時間帯」で、曜日ごとに知ることができます。下方にあるマップから「拡大地図を表示」か、グーグルマップで「国立新美術館」「京都国立近代美術館」を検索して開きます。

ルートヴィヒ美術館展の所用時間は?

60〜90分

私は10:18から11:53で鑑賞しました。

ルートヴィヒ美術館展のチケットはいくら?

東京会場

一般2,000円/ 大学生1,200円/ 高校生800円

※中学生以下は入場無料。※障害者手帳の持参物(付添1名含む)は入場無料。

京都会場

当日
一般2,000円/ 大学生1,100円/ 高校生600円

前売り・団体
一般1,800円/ 大学生900円/ 高校生400円

※団体は20名以上。前売券は8月22日~10月13日まで販売する。
※中学生以下、母子家庭・父子家庭の世帯員の者、心身に障がいのある者と付添者1名は入場料無料(要証明)。

ルートヴィヒ美術館展の会場・巡回先はここ

東京会場 2022年6月29日(水)~9月26日(月)

国立新美術館
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
Tel.050-5541-8600(ハローダイヤル)
Fax.03-3405-2531

開館時間
10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで

休館日
毎週火曜日(祝日又は振替休日に当たる場合は開館し、翌平日休館)

アクセス
電車
○東京メトロ千代田線「乃木坂駅」青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
○東京メトロ日比谷線「六本木駅」4a出口から徒歩約5分
○都営地下鉄大江戸線「六本木駅」7出口から徒歩約4分
バス
○都営バス
「六本木駅前」下車、徒歩約7分
「青山斎場」下車、徒歩約5分
○港区コミュニティバス「ちぃばす」赤坂循環ルート「六本木七丁目」下車、徒歩約4分

京都会場 2022年10月14日(金)~2023年1月22日(日)

京都国立近代美術館
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
Tel.075-761-4111(代表)

休館日
月曜日(ただし12月26日と2023年1月9日は開館)、12月29日~1月3日

開館時間
10:00~18:00 ※毎週金曜日は20:00まで ※入館は閉館の30分前まで

アクセス

JR・近鉄~バス
○JR・近鉄「京都駅前」A1のりばから、市バス5番 銀閣寺・岩倉行「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
阪急・京阪~バス
○阪急「烏丸駅」阪急「京都河原町駅」京阪「三条駅」から、市バス5番 銀閣寺・岩倉行「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
○阪急「烏丸駅」阪急「京都河原町駅」京阪「祇園四条駅」から、市バス46番 祇園・平安神宮行「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
市バス他系統
○「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車徒歩約5分
○「東山二条・岡崎公園口」下車徒歩約10分
地下鉄
○地下鉄東西線「東山駅」下車、1番出口より徒歩約10分