アンディ・ウォーホル・キョウト展に行ってきました!ポップアートの旗手の大回顧展!京都市京セラ美術館限定!

アンディ・ウォーホル・キョウトは、ポップアートの旗手ウォーホルの大回顧展です。米国ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館所蔵の素描・絵画・彫刻・映像作品など、200点以上を展示する京都限定の展覧会です。

アンディ・ウォーホル・キョウト展の感想と解説!

○作家になってからのウォーホルは、社会のシリアスな場面をモチーフに選ぶこともありました。しかしイラストレーター時代は、愛らしいキャラやスタイリッシュな靴を並べています。私の興味は、周知のウォーホルらしからぬ前半に集中していました。

《ピエールおじさんに似ている猫》(2)1954年頃

ぶよぶよとにじんだ線は、ブロッテド・ライン(blotted line)と呼ばれています。直に引いた線ではありません。私は知りませんでした(笑)。まずトレペに下絵を描いて、裏からインクのついたペンでなぞります。インク面を、支持体となる用紙に重ねて転写するという方法です。

一度に全部を写すことはできないので、何度かに分けて行う根気のいる作業です。しかしひとつの下絵で、異なるぶよぶよを描き出すメリットもあります。

《靴》(13)1950年代

○靴の木型をもとにしたオブジェがありました。オブジェに装着されたレリーフ状の装飾は、手工芸で用いるオーナメントでしょうか。最初からそこにあったように散りばめられています。

《翼のある妖精》(16)1956年頃

○《翼のある妖精》です。ぶよぶよとオーナメントに、金箔を加えました。ゴージャス。タイトルのある飾り罫は、正確な線対称になっていません。円形の花形をひとつひとつ繋ぎました。よく見ると、靴にも同様の花形が並べてあります。これらはウォーホルが形状を作りました。

一方、冠やパンツは、この形のオーナメントがあったのでしょうか。外部からの形状を取り込むことで生じる、適度な違和感がイラストを際立たせています。

《京都(舞妓)1956年7月3日》(22)1956年

○着物姿は3人ですが舞妓は4人です。4人目は頭部だけが覗きます。手前の舞妓には髪飾りと、髪にはハッチングを施し立体感を持たせています。

私が目を留めたのは、鼻の下から上唇に伸びる溝です。人中(じんちゅう)と言います。前述の妖精にはありません。同じ京都ドローイングの僧侶にはありました。他には《坂本龍一》(128・129・130)にあります。ウォーホルは人中を加えることで、日本人を描き分けました?

《花》(99〜103)1970年

着物の色はそれぞれ、ピンク、赤、オレンジに塗りつぶされています。これらの彩色は、この後シルクスクリーンで描かれる花のシリーズ(上図)を示唆させます。

《京都(清水寺)1956年7月25日》(23)1956年

○屋根の左側には瓦の描写がありません。白い屋根です。理由のひとつに明暗があります。もうひとつは、広く取られた余白との繋がりです。

全ての屋根に平行線を引くと、広い余白をより広く感じさせてしまいます。余白を埋めるために雲を浮かべると、見どころの線のある屋根の連なりと相殺します。

白い屋根は、余白と線のある屋根との間に位置し、全体を緩和する役割を果たしています。現地で、一気にスケッチしたとするならば驚異的な構成力です。

《坂本龍一》(129)1983年

○額に引かれた、青緑色とピンク色の境界のラインが鑑賞のポイントです(笑)。坂本龍一をうっとり見ていました。しかし、何だ坂本ではなくて平面構成か、と我に返るのがこのラインです。

黒色は、ポラロイドから引き伸ばした写実的な面です。肖像画を立体に見せます。しかし境界のラインの辺りは、ペタッと平面に見えます。肖像画と平面構成のせめぎ合いの場面です。

色面は青緑色の上にピンク色、その上に黒色、その上に黄色です。黄色はぼかしがかけてあります。最上階に輪郭線が青色、オレンジ色、黄色のグラデーションで置かれています。5階層で描かれています。

右手には一部に黄色が引かれていますが、輪郭線だけです。平面構成を優先して、肖像画に変化をあたえました。

1956年京都の旅

○「1956年京都の旅」は、ウォーホルが携帯した英語のガイドブックの中面です。聞き慣れぬ山中商会京都支店は、ウォーホルが骨董を購入した古美術商です。現在は京都山中商会パビリオンコートとして、貸会場、レストラン、カフェなどで使われています。

美術館の前の神宮道を南に進み、三条通を渡り坂道を上った右手にあります。

Welcome to Pavilion Court:パビリオンコート
京都,東山のアンティークな貸切邸宅・結婚式場・披露宴・コンサート会場【パビリオンコート】

ウォーホル・ウォーキング

○ウォーホルは1956年、1974年に京都を訪れています。うち京都駅前、三十三間堂、清水寺、祇園白川筋、京都市京セラ美術館の5つをウォーホル・ウォーキングのスポットとしました。スポットに設置されたBOXのQRコードから、オーディオガイドにアクセスできます。

石畳を歩くウォーホルは祇園白川筋です。ときどき通る道ですが、ウォーホルのことは知りませんでした。

アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO
ANDY WARHOL KYOTO – the first major Andy Warhol exhibition in Kyoto, Japan to be held at Kyoto City KYOCERA Museum of Art.

アンディ・ウォーホル・キョウト展の図録をデサインマニアが分析!

○シンボルマークはウォーホルの頭文字の「A」を「△」、「W」を「▽▽」で置き換えて縦に並べました。私は北条の三つ鱗が浮かびました(笑)。

ロゴタイプは「WARHOL」の「W」の右端の「/」と「A」の左の「/」が、並行になっているところ。「A」の右の「|」が垂直になっているところに特徴があります。

これらを縦に組んだときには、「▽▽」の隙間に「ANDY」が挟みこまれています。ロゴマークは、この展覧会のオリジナルでしょうか。

《三つのマリリン》(153)1962年

○本体には透明のプラスチックカバーが掛けられています。カバーは白一色で印刷されています。「△」の網目が引かれており、半分ほどが塗りつぶされたり、ロゴタイプがトリミングされたりしています。「△」の網目はカバーだけではなく、図録の中面に多用され、告知や会場のディスプレイにも使われています。

《銀の雲》の再現

○表表紙は《自画像(髪が逆立ったかつら)》(183)です。カバーの白く塗りつぶされた「△」によってウォーホルの顔が見え隠れします。また、カバーによって塗りの位置が異なります。掲載したものは右目が隠れていますが、両目が見えているものもあります。2重に仕掛けのある表紙です(驚)。

表題は欧文タイトルだけが、2段に分けて蛍光イエローで記されています。下段は「KYOTO」の末尾にシンボルマークが添えられています。

裏表紙は《ウイッグ(銀色 & 茶色)》(146)です。表表紙は来京時を、裏表紙は現在を表しているようにも思えます。紙面右下には、ロゴマークと、デザインされた会期が記されています。

○見返しは表がクリーム色で、裏は薄緑です。本編の扉は和紙が使われており、シルバーのロゴマークが置かれています。各章の扉はカバーの「△」の網目を縮小し、それぞれに配色を変えて3ページで組まれています。

○所々に桂離宮をはじめとする、ウォーホルのスナップが挟まれています。

○《最後の晩餐》(下図)と《カモフラージュ》(213)は3ページの片観音開き表裏で掲載されています。

ソフトカバー/ W145mm × H210mm/ モノクロ・カラー/ 340ページ/ 日・英
価格:2,970円(税込)

アンディ・ウォーホル・キョウト展の会場はここ!

京都市京セラ美術館
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町124
Tel.075-771-4334
Fax.  075-761-0444

会期
2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)

開館時間
10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)

休館日
月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12月28日〜1月2日)

京都市京セラ美術館
2020年3月21日「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープン。

アクセス
電車
地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約8分
京阪電鉄「三条駅」・地下鉄東西線「三条京阪駅」より徒歩約16分
※滋賀方面からは、京阪・JR・地下鉄東西線「山科駅」から地下鉄東西線「東山駅」下車が便利

市バス
JR・近鉄・地下鉄「京都駅」から
○A1のりば
5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
○D1のりば
100、110系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
阪急「京都河原町駅」から
○Aのりば
岡崎ループ号「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車すぐ
○Eのりば
46系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
○Hのりば
5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
京阪「三条駅」から
○Dのりば
5系統「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
岡崎ループ号
「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車すぐ

車・バイク・自転車
近隣の高速道路IC

名神高速道路 京都南I.Cから市内へ約10km
名神高速道路 京都東I.Cから市内へ約7km

自転車・バイク
本館または別館の駐輪場・バイク置き場を利用(無料)
※専用駐車場には限りがあるため、岡崎公園駐車場、みやこめっせ駐車場を利用(いずれも有料)